yoga-2176668_1280

Shahariar LeninによるPixabayからの画像

陽気発生、そして小周天!高藤仙道に自己流でチャレンジした時の話

その昔、街の本屋さんで少ない小遣いをはたいて買った中国仙道についての本があります。この本には今でも興味深い「小周天」についてすごく具体的な解説が書かれています。この本は、当時はカリスマ的な人気があった高藤総一郎氏の著書「秘宝!超能力仙道入門」というタイトルで、高藤氏については、当時、仙道や気功といったものに少しでも興味があった少々年配の方ならほとんど方が知っている存在かもしれませんね(^_^;)

高藤氏の著書は何冊もあって、高藤氏自身は現在消息不明のようですが、残された本たちは結構高値(ペーパーバック新書版でも数千円~数万円)で取引されていますね。でも「秘宝!超能力仙道」はとりあえずはペーパーバック新書(中古)でも2,000円くらいから入手できるので興味のある人にはおススメといえそうです。

この本にはかなり具体的に小周天のやり方が書かれています。かいつまんで紹介するならば…、鼻から切れ切れに息を吸い同時に下腹部を膨らませていきます。これと同時進行でお尻の括約筋を徐々に締めていき、あるポイントまで来たら息を止め、下腹部に貯めた「気」を意識の目でグッとにらみつけることで「気」を練るということをやっていきます。意識をかけられた「気」が本当に練れてきてパワーがついてくると、「陽気」と呼ばれる熱エネルギーを持った気のカタマリが発生し、意識をさらに集中していくと、まるで溶鉱炉で溶けた赤く光る鉄が流れ出すように、丹田(へそ下三寸の奥まったところ)から会陰や尾(骶)骨方面に熱い気が流れ出すようです。尾骶骨のツボまで熱い陽気が流れてきたら、そこからは意識で誘導しながら、そして要所要所のツボで陽気を温養させながら、徐々に背中側にある「督脈」に沿って陽気を上昇させていきます。頭頂部に陽気が上がってきたなら、今度は身体の前面にある「任脈」を通して「陽気」を下ろしていき最後は丹田に戻します。(上達すると「意識で誘導」というよりは「意識で制御」という形になっているようです)このようにして、身体の正中線に沿って「気」をゆっくりゆっくり巡らせていく…というのが高藤本で解説されている小周天です。(小周天を実践する場合は、知識と経験のある先生について行うことを強く推奨します。)

小周天はだれでも容易に習得可能か?

私は、当時から凝り性だったので、暇を見つけてはせっせと「行」に励んでいた時期がありました(独学)。本には「誰でも独習可能」とは書いてあったと思いますが、本を見て実際に実践して、誰も彼もが「小周天」ができるようになるか?というと、そうは簡単にはいかない!というのが正直なところだと思います。高藤本に書かれている小周天について、「僕にもできた!」「私にもできた!」「楽勝!」などとおっしゃっている方たちは、ほんの一握りの、素晴らしく才能に恵まれた人たちか、そうでなければ、事実はともかく、そのように言ってみたかっただけの人たちだと思います。(中には本当に才能がある人もいる可能性も否定はできないです。)一方、普通の人は、本に書かれているようには上手くいかないことがほとんどではないでしょうか。この私はどうだったかというと、下腹部で「陽気の発生」まではなんとなくできても、そこから先へは一向に進めませんでした。高藤氏主宰の「仙道教室」への入門を考えた時期もありましたが、当時、貧乏学生の私にとっては入会金&月謝が高すぎて諦めました~(^_^;)

小周天は一種類だけではない

実は小周天といっても決定版はコレ!という形はなく、いろいろな種類があるようです。例えば、私はこれまで何人かの気功の先生に小周天を教わったことがありますが、どれも「気」を巡らせることは一緒でも、高藤仙道の小周天とは全く様相が異なり、しかも、気功の中でも流派や先生によってそれぞれやり方は異なっていることがわかりました。一つ言えるのは、私の知る限りでは、気功の中で教わることのできる小周天は、高藤本に書かれていたような、「陽気」を発生し、気感や熱を感じながら「陽気」を正中線上に移動させるというような「時間のかかる」小周天は一切なかったということです。極端な場合は、息を吸って「気」を丹田から頭頂部へ一気に上げ、息を吐いて頭頂部から丹田に戻すという、一呼吸ですべての工程が完了してしまうものさえありました。

先生について習うのがベストかも!

独習者に対して比較的寛容な立場をとる(高藤)仙道や、いくつかの気功流派とは対照的に、おなじ呼吸を扱うヨガ系の先生の中には、自己流でむやみやたらに「気」(すなわちプラーナ)を循環させるべきではないという先生もいるようです。その理由は、プラーナ(気)を通すべきではない経路というものがあり、場合によっては、そこへプラーナ(気)を通したことが原因で身体に思わぬ不調をもたらすことも可能性としてはあるからだそうです。

私の場合は、素質に恵まれなかったこともあり、幸か不幸か「気感」を伴う小周天はまったくできずにここまで来ていますが、この先、また「小周天」の修行を再開することがあったとしても、確かな先生を見つけてからにしようと思います。

仙道とヨガの呼吸法(特に腹式呼吸)の違いについてのネタにしようと思っていましたが、それはまたいつか別の機会に!

最後までお読みいただきありがとうございました。