第一段階:まずは思考の観察から!
自己観察の第一段階は「思考の観察」です。要は自分が何を考えているかオンタイムでわかるようになることです。最初は途切れ途切れになるかもしれませんが、練習を重ねていくうちに思考の流れを止めずに観察できるようになってくれば上出来です!
「よーし、思考を観察してみよう!」と勢い込んで始めると、最初の頃はなかなか思考の流れが見つからないかもしれません。たぶんそれは緊張しているせいだと思います。そしてしばらく後に、「あれ?何にも見つからないよ!」って思うかもしれませんが、その「あれ?何にも見つからないよ!」っていうのも思考の一つです。「あれ?何も見つからないよ!」っていう考えが浮かんできたときに、それに気がつくことができればいいわけです。
リラックスしている時などは、とりとめもなくいろいろな考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返していることがわかると思います。また、何かに集中している時や、怒りの念にかられている時などは、すごい速さで思考が回転しているのがわかると思います。
思いやりに満ちあふれた素晴らしい思考や、思わず見なかったことにしたくなるようなひどい思考…自分の中にはその時々でかなりバラエティに富んだ雑多な思考が流れては消えていることが観察を続けていく中でわかってくることと思います。ここで留意しておくべき点があるとすれば…思考は必ずしも善良な性質のものばかりとは限らない…ということです。日頃、自分がどんなに善人だと思っていたとしてもネガティブな思考が流れる瞬間は必ずあるはずです。…でも、ぶっちゃけ、どんな思考が流れたってかまわないんです…その思考が流れていることに気がついてさえいれば。しかし他人に喜ばれるような思考ならともかくも、ネガティブな思考に一瞬のうちに支配されて衝動的に行動してしまわないようにする必要はあるかもしれません。それは「自覚」の問題ともいえるかしれませんね。
リラックスして思考を観察してみよう!
気分の落ち着いた休日の昼下がりや、誰もが寝静まっている日の出前の時間とかに、リラックスできる状態で座ったり寝たりしながら、思考を観察してみましょう。目は閉じていても開けていてもどちらでも構いません。布団の中で横になった状態で始めるとすぐに寝落ちしちゃうかもしれません。寝覚めに思考を観察してみるというのも一つの手だと思います。…どうですか?思考を観察できましたか?
たぶん、リラックスしている時なら、思考の流れに気づくことは比較的容易にできると思います。自己観察(思考の観察)をしている時に最も重要なのは、思考に支配されないことです。どんな思考も突き放して「見る」(あるいは「観る」)感じです。思考に支配されてしまった状態というのは、つまりその思考に没入してしまっている状態ということができ、簡単に言うなら、自分が主体となってああでもないこうでもないと考えている(いつもの)状態のことです。でも今は思考の観察の練習をしているときなので、どんなに自分にとって重要だと思われる思考が流れてきても、その思考に取り込まれてしまわないようにしましょう。流れてきた思考の細部に至るまで知る必要はありません。なぜその思考が流れてきたのか、どういう意味があるのか…などと分析しているうちに、いつしかその思考に取り込まれてしまう…というのはかなりよくある失敗です。どちらかというと、思考の勢いというか流れている状態を観察しているというイメージをもつといいと思います。
最初のうちはほんの数秒程度でも全然かまいませんよ!少しずつ自分のキャパシティーを伸ばしていって思考や心を制御できるようにしていきましょう!
今日はこのへんで! Ciao!